筋トレ効果を高めるのに「EAA」や「BCAA」が効果的みたいだけど、どっちがいいの?
併用した方がいいの?
違いや使い分けも教えて欲しいな。
ども、筋トレ大好き ともにいです!
トレーナの私が悩みに答えていきます!
筋トレ効果を高めるアミノ酸サプリとして有名なのが「EAA」と「BCAA」です。
両方ともアミノ酸なので「同じなんじゃないの?」と思いがちですが、両者には大きく「成分」「期待できる効果」に違いがあります。
正しい知識なく何となくで摂取していくと、筋肥大したいのに逆に筋分解が進んでしまうなんてこともあります。
せっかく摂取するサプリですので、最大限の効果を得たいですよね?
そこで本記事では、EAAとBCAAの違いと使い分けに関してお話ししていきます。
本記事を参考にEAAとBCAAの理解を深め、必要なものを取り入れていきましょう!
本記事で分かること
・EAAとBCAAのどちらを使用すべきか
・EAAとBCAAの違いと使い分け
EAAとBCAAはどっちがいい?【違いと使い分け】
結論、次の通りです。
EAAの方が優れたサプリでBCAAは不要
・EAAは9種類の必須アミノ酸、BCAAは3種類の必須アミノ酸を含む
・EAAを摂取すればBCAAは不要
・BCAAのみの摂取では筋肉は合成しない、むしろ分解する
・BCAAで筋肥大させたいなら、筋トレ前にホエイプロテインの摂取が必須
詳しく説明していきます。
EAAとBCAAの違い
大きな違いは「成分」と「期待できる効果」です。
成分と期待できる効果
□ 成分
・EAA:9種類の必須アミノ酸
・BCAA:3種類の必須アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)
□ 期待できる効果
・EAA:筋肥大効果(シグナル+材料を含む)
・BCAA:筋合成の活性化(シグナルのみ)
私たちの筋肉はタンパク質と水からできており、主成分はタンパク質です。
タンパク質には、下表の通り20種類のアミノ酸が含まれています。
アミノ酸20種類のうち、9種類が必須アミノ酸でEAA(Essential Amino Acid)と呼ばれています。
そして、EAA中の3種類の必須アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン)がBCAA(Branched Chain Amino Achid)です。
つまり、EAAならBCAAも摂取できますが、BCAAでは必須アミノ酸全てを摂取することはできないということになります。
筋肉の合成を活発にするには「シグナル」が、筋肉を合成するには「材料」が必要になります。
シグナルの役割を果たすのがロイシンです。
ロイシンには「筋肉を合成せよ!」という筋合成のシグナルを出す効果があります。
材料は必須アミノ酸全てです。
よって、EAAとBCAAで期待できる効果は次のようになります。
EAA:筋肥大効果(シグナル+材料を含む)
BCAA:筋合成の活性化(シグナルのみ)
EAAを摂取すればBCAAは不要
EAAを摂取すればBCAAは不要で、BCAA単体の摂取はNGです。
理由は次の通りです。
BCAAが不要な理由
・EAAにBCAAも含まれる
・筋肉を合成させるためには必須アミノ酸全てが必要
・BCAAのみの摂取では筋肉は合成しない、むしろ分解する
筋肉を合成するには必須アミノ酸全てが必要となります。
BCAAのみだと筋合成のシグナルは活発になりますが、合成するための材料がありません。
材料がないと筋トレをしている部位とは別の部位の筋肉を分解して補おうとしてしまいます。
つまり、BCAAのみを摂取すると筋肉の分解が促進されてしまうということです。
BCAAのみだと筋肥大に逆効果なんだね・・・。
気になったんだけど、ロイシンで筋合成が活発になるならEAAとBCAAを一緒に飲んでロイシンの量を多くすれば、筋肥大効果はより高くなるの?
高まりません。
これはアミノ酸の桶理論によります。
アミノ酸の桶理論とは、「必須アミノ酸にはお互いに必要なバランスがあり、9種類のうち1つでも量が不十分だと、タンパク質はその不十分なアミノ酸に合った量しか合成されない」というものです。
下図のように必須アミノ酸でできた桶の中に水(タンパク質)が入っていると考えます。
下図の場合リジンが不足しており、このリジンの量分の水しか入らず、あふれた分は無駄になってしまいます。
つまり、ロイシンのみをたくさんとっても他のアミノ酸が不足していれば、過剰なロイシンは無駄になってしまうということです。
よって、9種類のアミノ酸をバランス良く摂取する必要がありますので、ロイシンの量を増やしても筋肥大効果は高まりません。
以上より、EAAを摂取すればBCAAは不要で、BCAA単体の摂取はNGとなります。
なお、アミノ酸バランスが意識されたEAAのおすすめ・摂取量やタイミングに関しては下記記事にまとめておりますので参考にして下さい。
BCAAで効果を得る方法はないの?
EAAは高いからBCAAを使用したいんだけど、EAAみたいな効果を得る方法はないの?
EAAとBCAAのコストを比較すると、BCAAの方が2000〜3000円ほど安いです。
コストの問題からBCAAを使用したいと思い方も多いでしょう。
答えは「あります」。
ただ、使用場面が限られるのと手間がかかります。
具体的にいうと、
「ホエイプロテインを筋トレ60分前に、BCAAを筋トレ中に摂取する」
ことで効果が期待できます。
BCAA単体で摂取する上での問題は筋合成するための「材料がない」点にあります。
よって、「材料がある」状態でBCAAを摂取すれば効果が期待できるということ。
材料を満たすために、筋トレ60分前にホエイプロテインを摂取しましょう。
ホエイプロテインは摂取後60分ほどで吸収されるためです。
そして血中アミノ酸濃度が高まった状態で、筋トレ中に吸収の早いBCAAを摂取することでEAAの様な効果が期待できます。
よって、ホエイプロテインとの併用でBCAAでも効果を得ることができますが、使用場面が筋トレ中に限られ、ホエイプロテインを60分前に摂取する必要があるので手間がかかります。
まとめ
ここまでの内容をまとめます。
まず、EAAとBCAAはどちらかいいのかと、違いや使い分けは下記の通りです。
EAAの方が優れたサプリでBCAAは不要
・EAAは9種類の必須アミノ酸、BCAAは3種類の必須アミノ酸を含む
・EAAを摂取すればBCAAは不要
・BCAAのみの摂取では筋肉は合成しない、むしろ分解する
・BCAAで筋肥大させたいなら、筋トレ前にホエイプロテインの摂取が必須
BCAAのみだと筋合成は活性化されますが、必須アミノ酸が不足しているため筋肥大は起きません。
むしろ不足分を他の筋肉を分解して補おうとするので、合成より分解が進んでしまいます。
その点、EAAなら必須アミノ酸全てが含まれているので、EAAのみでも筋肥大効果があります。
よって、EAAを摂取していればBCAAは不要です。
なお、アミノ酸バランスが意識されたEAAのおすすめ・摂取量やタイミングに関しては下記記事にまとめておりますので参考にして下さい。
もしコストの面でEAAではなくBCAAで効果を得たい方は、筋トレ前にホエイプロテインを摂取しましょう。
筋トレ60分前に摂取することで、筋合成に必要な素材が血中にある状態を作ることができます。
その状態でBCAAを摂取すれば、EAAの様な効果が期待できます。
以上になります。
本記事を参考にEAAとBCAAを使い分けて、トレーニングライフを充実させて下さいね!
参考文献
*1:加藤久典, 最新研究で明らかになった正しいタンパク質の摂り方, HEALTHIST 257(2019).
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