プロテインを飲むとお腹がゴロゴロしたり、下痢になってしまうんだよね・・・。
何とかならないのかな。
こうした悩みにお答えします。
ダイエットや筋トレ効果を高めるためにプロテインを飲み始めたはいいものの、お腹がゴロゴロするし何だか下痢気味・・・。
プロテインは効果が高いサプリとはいっても、飲むたびに体調が悪くなれば飲みたくなくなりますよね。
僕って、プロテインが体質に合わないのかな?
と、思っている方もいるでしょう。
大丈夫です、安心して下さい。
ちゃんと対処法があります。
本記事では、プロテインでお腹がゴロゴロ&下痢になる原因と対処法を解説します。
私も同じ悩みを抱えていましたが、原因を理解して様々な対処法を試した結果、今では問題なくプロテインを飲むことができています。
本記事を参考にして、プロテインを健康的に飲んでいきましょう!
本記事で分かること
・プロテインでお腹がゴロゴロしたり下痢になる原因と対処法
お腹がゴロゴロ&下痢になる原因と対処法
結論、考えられる原因と対処法は次の通りです。
原因 | 対処法 |
---|---|
乳糖不耐症 | ・プロテインの種類を変える ・乳糖含有量が少ないプロテインにする ・適切な量を飲む&分割して飲む |
ソイプロテインのレクチン | ・プロテインの種類を変える |
割る飲み物の種類と温度 | ・常温の水で割る |
詳しくお話ししていきます。
乳糖不耐症
プロテインの中でもホエイプロテインを摂取した場合に症状が現れる可能性があります。
なぜなら、ホエイプロテインに乳糖が含まれているからです。
乳糖不耐症とは、牛乳や乳製品に含まれる乳糖をうまく消化・吸収できないことで、腹痛・下痢・お腹の膨張感を引き起こすもの。
通常胃で消化された内容物は、小腸で分解・吸収され液状またはかゆ状になり、その後大腸で水分が吸収されて固形化します。
しかし乳糖不耐症の場合、うまく消化・吸収されなかった乳糖が消化器官内でとどまったり、大腸にまで達してしまいます。
とどまった乳糖は体内の細菌により発酵されますが、そのときにガスが発生し腹痛・膨張感の原因となります。
大腸に達した乳糖は水分を引き寄せるため腸内の水分量が増え、下痢を引き起こします。
学生の時、給食の牛乳を飲んでお腹がゴロゴロする、という経験をした方は多いのではないでしょうか。
これは乳糖不耐症の症状です。
日本人の場合、年齢とともに乳糖を分解する酵素が減っていき、乳糖不耐症の症状が出やすくなる傾向があります。
よって、ホエイプロテインに含まれる乳糖をうまく消化・吸収できないのが原因で、お腹がゴロゴロしたり下痢になるということです。
じゃあ、乳糖不耐症の人はどうしたらいいの?
対処法は次の3つのいづれかになります。
乳糖不耐症の対処法
・プロテインの種類を変える:筋肥大を目的としていない方向け
・乳糖含有量が少ないプロテインにする:ホエイプロテインを摂取したい方向け
・適切な量を飲む&分割して飲む:WPCを摂取したい方向け
詳しくお話ししていきます。
プロテインの種類を変える:筋肥大を目的としていない方向け
乳糖が原因なので、乳糖が含まれていないプロテインに変えましょう。
具体的には、ソイプロテインかピープロテインです。
違いを比較すると次の表の通りです。
ホエイ・ソイ・ピープロテイン比較表
ホエイ | ソイ | ピー | |
---|---|---|---|
原料 | 牛乳 | 大豆 | えんどう豆 |
動植物性 | 動物性 | 植物性 | |
吸収速度 | 早い | ゆっくり | |
アレルゲン | 乳、卵 | 大豆 | なし |
遺伝子組替製品 | なし | あり | なし |
必須アミノ酸含有量 | 多い | 普通 | やや多い |
摂取おすすめタイミング | 運動前、運動後 | 就寝前、朝起床時 |
大きな違いはタンパク質の原料で、ソイプロテインは大豆、ピープロテインはえんどう豆を原料としています。
ただ、ホエイプロテイと比較して吸収速度が遅いので筋肉を大きくしたい方には不向きです。
筋肥大したい場合、筋トレの前後に吸収の早いホエイプロテインを飲むことが最も効果的だからです。
植物性のプロテインは、細マッチョを目指す方やダイエット目的で摂取する方におすすめとなります。
よって、筋肥大目的でない方はソイプロテインやピープロテインに置き換えてみましょう。
ソイプロテインやピープロテインについてもっと詳しく知りたいんだけど・・・
そういった方は、下記記事に詳細(効果・摂取量・おすすめメーカなど)をまとめておりますので参考にして下さい!
□ソイプロテインについて詳しく知りたい方
□ピープロテインについて詳しく知りたい方
乳糖含有量が少ないプロテインにする:ホエイプロテインを摂取したい方向け
ホエイプロテインで筋肥大をさせていきたいのだけど、どうしたらいいの?
という方は、乳糖含有量が少ないプロテインに変えましょう。
乳糖が原因なので、乳糖含有量が少なければ症状は起きにくくなります。
具体的には、WPCで症状がでる方はWPIを、WPIで出る方はWPHに変えてみましょう。
補足
・WPC(Whey Protein Concentrate):濃縮乳清タンパク質
・WPI(Whey Protein Isolate):分離乳清タンパク質
・WPH(Whey Protein hydrolysate) :加水分解乳清タンパク質
ホエイプロテインには大きく「WPC」「WPI」「WPH」の3種類があり、乳糖含有量が少ない順で並べると次のようになります。
少 WPH < WPI < WPC 多
つまり、一番吸収されにくいのがWPC、吸収されやすいのがWPHということです。
「WPC」「WPI」「WPH」を比較すると次の通りになります。
WPC | WPI | WPH | |
---|---|---|---|
乳糖含有量 | ✖️ 多い | ○ 少ない | ◎ 非常に少ない |
吸収性 | △ 普通 | ○ 高い | ◎ 非常に高い |
タンパク質 含有量目安 | 75〜85% | 85%以上 | 70%以上 |
値段目安 (1kgあたり) | 2,000〜3,000円 | 3,000〜5,000円 | 4,000〜6,000円 |
フレーバ数 | ◎ 非常に多い | ○ 多い | ✖️ 非常に少ない |
取扱いメーカ数 | ○ 多い | △ 少ない | ✖️ 非常に少ない |
□WPCとWPIの比較
そもそもホエイプロテインがどのようにして作られるのかをお話しします。
原材料は牛乳で、牛乳には大きくホエイ(20%)とカゼイン(80%)という乳タンパク質が含まれます。
ホエイは牛乳に20%ほどしか含まれておらず、このホエイをろ過して凝縮したものがWPCです。
WPC製法によりタンパク質含有量は80%ほどになりますが、乳糖が多く含まれています。
WPC製法後に「膜処理」や「イオン交換」といった処理を行なって、乳糖を取り除きタンパク質含有量を90%ほどに高めたものがWPIです。
WPIはWPCよりも処理工程が多い分値段が高いですが、乳糖が少ないので乳糖不耐症の症状が出にくいです。
よって、WPCを使用していて乳糖不耐症の症状が出た方はWPIをまず試すことをおすすめします。
□WPIとWPHの比較
どちらも乳糖含有量が少ないですが、タンパク質の吸収性を WPIよりも高めたのがWPHです。
タンパク質は体内の酵素の働きでペプチドとアミノ酸に分解されるのですが、WPHにはこの分解処理がすでにほどこされています。
よって、体内で分解する負担が減るため、WPIより吸収性が良く乳糖不耐症の症状が出にくくなります。
ただ、分解処理工程が増える分、WPIよりも値段が高くなります。
値段は高くなりますが、乳糖不耐症が気になる方はWPHを使用すれば症状は出なくなるでしょう。
WPHに関しては下記記事に特徴やおすすめをまとめていますので、参考にして下さい。
適切な量を飲む&分割して飲む:WPCを摂取したい方向け
ホエイプロテインを飲んでいきたいんだけど、WPIとWPHはコスト的に厳しいな・・・。
WPCで何とかならないの?
という方は、適切な量を知り、一度にたくさんではなく分割して飲んでみましょう。
□適切な量を知る
タンパク質摂取量と一度の摂取量上限についてお話しします。
まず1日のタンパク質摂取量の目安は次の通りです。
・運動習慣がない人:体重×1 g
・運動習慣がある人:体重×1.5〜2 g
次に1度に摂取できるタンパク質量は、(除脂肪体重 × 0.7)gです。
除脂肪体重とは、体重から脂肪分を引いた重さを表します。
例えば、体重60kgで体脂肪率が20%の人の場合、
1度に摂取可能なタンパク質量
= 除脂肪体重 × 0.7
= 体重 ー 体重 × (体脂肪率 ÷ 100)
= 60 ー 60 ×(20 ÷ 100)
= 48 g
となります。
WPCの場合タンパク質含有量は80%ほどですので、48gを摂取するには、
48 ÷(80 ÷ 100)= 60 g
の摂取量となります。
よって48 〜 60 gが1度の摂取量の目安となり、60gより多く摂取しても吸収されないことになります。
もし、こうした計算をして自分の上限量を超えている方は一度に摂取する量を減らしましょう。
過剰摂取で吸収しきれなかった乳糖が原因の可能性が高いためです。
目安量よりも少ないのに症状が出る方は、分割して摂取してみましょう。
□分割して飲む
例えば、1日60gのプロテインを摂取したいなら、
・運動をしないオフ日:朝、昼、晩に20gずつ摂取する
・運動をする日:運動前、運動後、寝る前に20gずつ摂取する
といった感じです。
1回あたりの摂取量を減らすことで、摂取する乳糖の量も減りますので乳糖不耐症の症状が出にくくなります。
以上をまとめると次の通りです。
WPCを摂取したい場合の対応
1, 適切な量を知り、過剰摂取気味なら量を減らす
✔︎ 1日のタンパク質摂取量の目安を知る
✔︎ 1度に摂取できるタンパク質量を知る
2, 分割して飲み、1回あたりの乳糖摂取量を減らす
✔︎目安量よりも少ない摂取量で症状が出てしまう方向け
例)1日60gのプロテインを摂取したい場合
・運動をしないオフ日:朝、昼、晩に20gずつ摂取する
・運動をする日:運動前、運動後、寝る前に20gずつ摂取する
ソイプロテインのレクチン
ソイプロテインを飲んで症状が出る方は、ソイプロテインに含まれるレクチンが原因の可能性があります。
レクチンとはタンパク質の一種で、植物が外敵から身を守るために進化の過程で備えたものです。
つまり毒性があり、人間が摂取すると下痢や腹痛といった症状が現れます。
食材としては大豆・ナス・ジャガイモ・小麦などに含まれますが、食品の製造過程で処理をすることでレクチン含有量はごくわずかとなります。
ソイプロテインに関しても同様です。
症状が出る摂取量には個人差がありますが、症状が出るのはレクチンに敏感な方かと思いますので、下記のように対応しましょう。
・ホエイプロテインやピープロテインに変える
・1度の摂取量を減らす、分割して摂取する
割る飲み物の種類と温度
プロテインが原因ではなく、割る飲み物の種類と温度が影響している可能性があります。
具体的には次の通りです。
割る飲み物と温度の影響
□割る飲み物
・牛乳:乳糖不耐症の可能性あり
・豆乳:レクチンの可能性あり
□温度
・冷たい飲み物でのガブ飲みによる胃への負担増
割る飲み物に含まれる成分によって症状が出ることもあります。
また、割る飲み物が牛乳や豆乳以外でも、キンキンの冷たい飲み物でがぶ飲みすれば胃への負担が高まります。
1番体に優しいのは、常温の水で飲むことです。
水が厳しい方は、プロテインには様々なフレーバーがありますので、常温の水でも飲めるものに切り替えてみましょう。
まとめ
ここまでの内容をまとめます。
まずお腹がゴロゴロ&下痢になる原因と対処法は次の通りです。
原因 | 対処法 |
---|---|
乳糖不耐症 | ・プロテインの種類を変える ・乳糖含有量が少ないプロテインにする ・適切な量を飲む&分割して飲む |
ソイプロテインのレクチン | ・プロテインの種類を変える ・分割して飲む |
割る飲み物の種類と温度 | ・常温の水で割る |
□乳糖不耐症
乳糖不耐症は、ホエイプロテインを摂取することで現れる症状で、対象方は下記の通りです。
乳糖不耐症の対処法
・プロテインの種類を変える:筋肥大を目的としていない方向け
✔︎ ソイプロテインやピープロテインへの置き換え
・乳糖含有量が少ないプロテインにする:ホエイプロテインを摂取したい方向け
✔︎ WPIやWPHへの置き換え
・適切な量を飲む&分割して飲む:WPCを摂取したい方向け
✔︎「1日のタンパク質摂取量」と「1度に摂取可能なタンパク質量」を知る
□ソイプロテインのレクチン
大豆に含まれるレクチンが合わない方は、次の通り対処しましょう。
・ホエイプロテインやピープロテインに変える
・1度の摂取量を減らす、分割して摂取する
□割る飲み物の種類と温度
プロテインではなく割る飲み物や温度が影響している可能性があります。
牛乳や豆乳で割っていたり、冷たい飲みのものでガブ飲みしていた方は、1番体に優しい常温の水に変えましょう。
水が厳しい方は、プロテインには様々なフレーバーがありますので、常温の水でも飲めるものに切り替えてみましょう。
以上です。
本記事が、プロテインでお腹がゴロゴロ&下痢になってしまう方の参考になれば幸いです!
関連記事
□ソイプロテインについて詳しく知りたい方
□ピープロテインについて詳しく知りたい方
□WPHプロテインについて詳しく知りたい方